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薬剤師SALONです！
この記事では、
がん薬物療法専門薬剤師
について解説しています。
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概要と役割
がん薬物療法専門薬剤師は、がん治療における高度で専門的な薬学的支援を行う薬剤師です。
この資格は、がん薬物療法に関する深い知識と豊富な臨床経験を備え、医療チームの指導的な立ち位置で活躍することが期待されています。
がん治療の現場では、治療法の進歩に伴い、薬剤師が果たすべき役割が増大しています。
がん薬物療法専門薬剤師は、医師や看護師など多職種と協力しながら、患者一人ひとりに合わせた最適な薬物治療の提案、副作用の予防・管理、教育活動を通じて医療の質を向上させます。
資格の目的
《 がん薬物療法専門薬剤師の定義 》
- がんの病態と患者特性を十分理解していること
- がん領域の薬物療法に必要な薬剤と臨床薬理に関する基礎知識を十分理解していること
- がん領域の薬物療法に必要な薬剤の管理、取扱いを十分理解していること
- エビデンスに基づいたがん領域の薬物療法に関する情報収集と評価、多職種への情報提供ができること
- がん領域の薬物療法に関する高度な知識と多くの臨床経験を持ち、患者の薬物療法等を支援し、薬学的管理ができること
- がん領域の薬物療法のモニタリングと必要な薬剤の副作用を把握し、その対処方法を熟知し、医師、患者等に提案できること
- 緩和ケアを十分理解していること
- がん領域の多職種チームなどで薬学的観点において指導的役割を果たせること
- がん領域に関する研究能力を有すること
- がん薬物療法認定薬剤師を養成・指導する能力を有すること
以上の項目を満たす薬剤師をがん薬物療法専門薬剤師とする。
認定団体と資格者数
がん薬物療法専門薬剤師の認定は一般社団法人 日本病院薬剤師会が行っています。
令和6年4月現在、国内の資格保有者は73名で、医療現場で信頼される専門職として活躍しています。
資格の申請要件
がん薬物療法専門薬剤師資格を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 申請時において、がん薬物療法認定薬剤師であり、かつ、日本医療薬学会、日本薬学会、日本臨床薬理学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本緩和医療学会、日本緩和医療薬学会、日本臨床腫瘍薬学会のいずれかの会員であること。
- 日本医療薬学会、日本薬学会、日本臨床薬理学会、日本薬剤師会学術大会、上記がん領域の学会、関連する国際学会、全国レベルの学会あるいは日本病院薬剤師会ブロック学術大会において、がん領域に関する学会発表が２回以上（うち、少なくとも１回は発表者）、複数査読制のある国際的あるいは全国的な学会誌・学術雑誌にがん領域に関する学術論文が１編以上（うち、少なくとも１編は筆頭著者）の全てを満たしていること。
- 病院長あるいは施設長等の推薦があること。
- 日本病院薬剤師会が行うがん薬物療法専門薬剤師認定試験に合格していること。
資格の更新要件
資格の更新には、以下の条件を満たすことが必要です。
- 認定期間中継続して、日本病院薬剤師会の会員であること。ただし、別記１に定める団体のいずれかの会員であればこれを満たす。
- 更新申請時において、日本医療薬学会、日本薬学会、日本臨床薬理学会のいれかの会員であり、かつ、日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本緩和医療学会、日本緩和医療薬学会、日本臨床腫瘍薬学会のいずれかの会員であること。
- 認定期間中、施設内においてがん薬物療法に関する専門的業務に従事していたことを証明できること、および施設内・地域・学会等において指導的役割を果たしてきたことを証明できること。
- 更新申請までの５年間に、別記２に定めるがん治療に関する講習単位４０単位以上（特段の理由がない限り、毎年最低３単位以上）を取得すること。ただし、４０単位のうち日本病院薬剤師会主催のがん専門薬剤師に関する講習会１２単位以上を取得すること。
- 更新申請までの５年間に、関連する国際学会、全国レベルの学会あるいは日本病院薬剤師会ブロック学術大会においてがんに関する学会発表が１回以上（共同発表者でも可）、または複数査読制のある国際的あるいは全国的な学会誌・学術雑誌にがんに関する学術論文が１編以上（共同著者でも可）あること。
別記１
（１）で「別記１に定める団体」とは、以下の通りである。
● 日本薬剤師会
● 日本女性薬剤師会
試験日程と申請スケジュール
試験は毎年指定された期間内に実施されます。
申請や症例報告の準備には時間がかかるため、計画的なスケジュール管理が必要です。
詳細は日本病院薬剤師会の公式ウェブサイトで確認することを推奨します。
資格取得のメリット
資格を取得することで、以下の利点があります：
- 専門性の証明：
がん薬物療法に関する深い知識と実践力を証明し、医療現場での信頼性を向上させます。 - 教育・指導の機会拡大：
医療機関や研修施設での教育的役割を担う機会が増えます。 - キャリアの幅が広がる：
がん治療分野での活躍だけでなく、教育・研究分野でのキャリア形成も可能になります。 - 患者への貢献：
薬学的介入を通じて患者の治療効果を高め、生活の質向上に寄与します。
まとめ
がん薬物療法専門薬剤師は、がん治療における薬物療法のエキスパートとして、医療現場で指導的な役割を果たします。
この資格を取得することで、医療チームの信頼を得るだけでなく、患者支援や教育活動を通じて社会に貢献する機会も広がります。
がん薬物療法に関するさらなる専門性を追求したい薬剤師にとって、取得を目指す価値の高い資格です。
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